仕事をしていく中で得た経験や経歴を積み重ねていく「キャリア形成」を行う中で、転職というのは重要な選択肢のうちの1つです。
そう考えると、「やはり最初に就いた仕事から専門性を高めていかないといけないのか」と考えてしまいそうですが、職種を思い切って変えてしまう方もたくさんいます。
転職者が職種を変えて、希望する職業へ就いていくことはできるのかどうか、考えていきたいと思います。
キャリアチェンジってどれくらいの人がしている?
自分が未経験の職種へ転職することをキャリアチェンジと呼びます。
実際、キャリアチェンジする人はどれくらいいるのでしょう。
以下のグラフが調査結果です。
性別と大卒・大学院卒でグラフが作成されています。
黒線が25歳~34歳、赤線が35歳~44歳、青線が45歳~54歳のキャリアチェンジした人の割合となっています。
どちらかというと若い人のほうがキャリアチェンジする割合が高くなっています。
また男性よりも女性のほうがキャリアチェンジする割合が高い傾向にあります。
全体で見てみると転職者のうち1~9%の人は以前働いていた職種とは違い、未経験の職種に転職していることが分かります。
ではどのような人がキャリアチェンジをするのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
キャリアチェンジする人ってどんな人
厚生労働省の「令和4年版 労働経済の分析」によれば以下のような人がキャリアチェンジをする傾向が高いそうです。
・ワークライフバランスに関する条件を重視する者が多い傾向がある
・「労働条件(賃金以外)がよいから」転職を考えている人
・「地元だから(Uターンを含む)」転職を考えている人
出典:令和4年版 労働経済の分析(厚生労働省)
また、以下のような人はキャリアチェンジする傾向が低いようです。
・男性はおおむね子どもがいる場合の方が職種の変わるキャリアチェンジをしにくい傾向が ある
・男性では「賃金が高いから」と答えた場合も職種間移動をする確率が低い傾向がある
出典:令和4年版 労働経済の分析(厚生労働省)
子どもがいる家庭の場合、男性はキャリアチェンジをする傾向が低いようですが、これは、より安定を求めるからでしょうか。
そして、仕事の条件に関しては、高収入よりもワークライフバランスを求める方がキャリアチェンジをする傾向が高いようです。
それでは、キャリアチェンジする場合は収入が下がることが多いのでしょうか。
キャリアチェンジは収入が下がる?
以下のグラフはキャリアチェンジをした人の賃金の変動についてまとめたものです。
このグラフでは、
- 専門的、技術的な仕事 → 販売の仕事
- 専門的、技術的な仕事 → 管理的な仕事
- サービスの仕事 → 専門的、技術的な仕事
- 事務的な仕事 → 管理的な仕事
- 事務的な仕事 → 専門的、技術的な仕事
というような、5種類のキャリアチェンジについて賃金変動D.I.を出しています。
「D.I.」というのは「好転」した値から「悪化」した値を引いたものです。
この場合は、「賃金が増加した者の割合」から「賃金が減少した者の割合」を引いた値になります。
「専門的、技術的な仕事」や「サービスの仕事」から別の仕事にキャリアチェンジした人は非常に高い割合で賃金が増加しています。
逆に、「事務的な仕事」から別の仕事に転職した場合は、「専門的、技術的な仕事」や「サービスの仕事」から転職した人に比べると賃金が上昇した人の割合が低いようです。
キャリアチェンジする場合、収入アップを目的としている人の割合は多くないよですが、だからと言って収入が増加しないということではないようです。
IT分野へのキャリアチェンジを紹介
今後、求人の需要が多くなると予想される代表的な分野のひとつとしてIT分野があります。
IT分野と聞くと「専門的・技術的な仕事」の代表として挙げる方も多いのではないでしょうか。
キャリアチェンジの代表例として、IT分野でどのような人が転職しているか以下のグラフで見てみましょう。
性別で見ると、男性の転職者が多いようです。
また、経験年数についてですが幅広い層からまんべんなく転職者がいるようです。
10年未満の経験者もIT分野への転職者の中に3割ほどいるようです。
IT分野といっても事務仕事や管理をする仕事もあり、専門的な仕事ばかりではないと思いますが、経験が浅いからと言って転職者が少ないというわけではないですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は思い切って職種を変える「キャリアチェンジ」についてまとめてみました。
実は転職者である僕もキャリアチェンジをしています。
種類としては「事務的な仕事 → 専門的、技術的な仕事」のキャリアチェンジになります。
専門的な仕事というと、スキルがないといけないとか、専門学校へ行かなければ難しいと考える方もいるかもしれませんが、会社によっては未経験で入社して、そこから仕事を覚えればよいという場合もよくあります。会社によっては資格取得に関して補助制度がある場合も多いです。
それなりに専門知識を学ぶ姿勢は必要かもしれませんが、けっして無理な転職ということはないように思います。
ちなみに、
”「事務的な仕事」から別の仕事に転職した場合は、「専門的、技術的な仕事」や「サービスの仕事」から転職した人に比べると賃金が上昇した人の割合が低いようです。”
と書いていますが、僕は少しながら収入は増加しています。
キャリアチェンジには色々なパターンがあると思いますが、仕事内容もがらりと変わるため、転職で生活を変える一つの方法として考えてみてはいかがでしょうか。