転職の際に気を付けたいのが気を付けたいのが、現状よりも状況が悪化してしまうことです。
せっかく心機一転、よりよいワークライフを夢見て仕事を変えたのに、「前のほうが良かったかもしれない…」となってしまっては気分も落ち込んでしまいます。
転職が一回しかできないわけではありませんが、せっかく時間を使ってリスクも取りながら転職するのであれば、確実にステップアップしていきたいですよね。
そこで、いま一度、現職と比較するために転職のデメリットについてもまとめてみました。
デメリット一覧
転職する際のデメリットをリストアップしてみました。
- 退職金が少なくなる
- 人間関係を一から作り直すことになる
- 人間関係が悪化する場合がある
- 収入が減る場合がある
- ローン審査に通りにくくなる場合がある
- 転職を繰り返すと社会的信用を失う場合がある
- 残業が思っていたより増えることがある
簡単に転職を決意できない理由が、この中にあるのではないでしょうか。
一つ一つ確認してみましょう。
退職金が少なくなる
退職金には次の2種類があります。
- 退職一時金
- 企業年金
厚生労働省の「退職給付(一時金・年金)の支給実態」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/index.html)
を見ると、
日本の約8割の会社にはこの退職給付制度があります。
また、大卒が定年まで働いた場合の平均退職給付額は約2,000万円ほどです。
退職一時金については、勤続年数が長くなるほど金額が高くなることが多いです。
つまり、転職した場合は、退職一時金が減るケースが非常に多いです。
また、企業年金については、大きく分けると「確定給付企業年金」「確定拠出年金」「厚生年金基金」「中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度」の4種類があります。こちらについては転職先に引き継ぐことが基本的には可能ですが、制度が非常にややこしいです。現在の加入状況を把握して、転職先の担当部署に確認したほうが良いと思われます。
退職金については一般的に、会社の労働協約や就業規則に記載されていますので、気になる方は確認してみてください。
人間関係を一から作り直すことになる
転職をすると周りの環境がすべて変わります。
特に人間関係については一から築きなおさなくてはなりません。
人見知りを全くしない方であれば、それほど苦にはならないかもしれませんが、やはり、新しいグループに所属するということは、精神的にも体力的にも消耗します。
新しい仕事に慣れるまでに3か月かかる方もいれば、3年かかる方もいるかもしれません。
仕事に慣れるまでは少し気を張って頑張らなければならない期間が必要になります。
人間関係が悪化する場合がある
せっかく転職したのに人間関係で問題が発生する場合があります。
職場におけるハラスメントに関する法律の整備などにより、昔よりハラスメントに対しては厳しく取り締まるようになったため、いやがらせ行為などは減少傾向にあります。
しかし、どんな時代、どんな環境でも相性が悪い相手が出てくる可能性はゼロではありません。
この問題は、どこの会社に就職しても起こる可能性のある問題です。
必要以上に恐れることはないですが、「転職すれば必ず人間関係が改善する」というわけではないことを念頭に置いておく必要があります。
また、転職した場合、「中途採用された人」という目で見られることが多いと思います。
年齢が若い人のほうが役職が上になる場合もありますので、謙虚な態度でいることが良好な人間関係を築くための大事な要因の一つです。
収入が減る場合がある
転職をする場合、年収が下がるケースも考えられます。
実際、年収が下がった人はどのぐらいの割合でいるのでしょうか。
厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」
(https://www.gov-base.info/2022/08/31/167461)
によると前職の賃金に比べ「増加」した割合は34.6%、「減少」した割合は 35.2%となっています。
どちらの可能性も十分考えられますね。
では、固定給が下がることが分かっている場合を除き、年収が下がる理由としては、どのようなものがあるのでしょうか。
主に次の2点が考えられます。
- 賞与、歩合制、手当などの制度が異なる
- 残業が減る
固定給については、新卒の初任給を調べて比較してみたり、面接で聞いてみることも多いと思いますが、そのほかの細かい制度などを事細かく調べるのは、なかなか難しいことだと思います。
賞与については給料何か月分と決まっているところもあれば業績により支給されなくなる会社もあると思います。また、仕事の実績などに基づく歩合制やインセンティブ制度がある場合は、転職したばかりの頃は不利に働くケースも考えられます。
さらに、昨今は時間外労働を減らす傾向があり、残業代が減ることで極端に収入が減る場合もあります。
ローン審査に通りにくくなる場合がある
転職直後はローン審査に通りにくくなる可能背があります。
国土交通省の「令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、95.2%の金融機関がローン審査項目の中に「勤続年数」を入れています。
しかし、6割以上の金融機関で勤続年数1年以上を条件としていることから、転職後に順調に働いていけば大きな問題はなさそうです。
また、年収が上がるケースもあるため、一概にローン審査に不利になるということは言えません。
近々、家の購入でローンを利用することを検討されている方は転職時期に注意が必要です。
転職を繰り返すと社会的信用を失う場合がある
あまりに短い期間で転職を繰り返すと、再就職に不利になる場合があります。
短期間で成果を出すような仕事の場合は問題ありませんが、終身雇用を前提としている会社も多くあります。
専門職で即戦力になる場合を除き、会社としては新しい人材の育成期間も考慮しなくてはならないため、職歴を確認された際に、悪い印象を与えてしまうこともあります。
残業が思っていたより増えることがある
残業が少ないことを売りにしている企業もありますが、一般的に多くの企業で残業が発生していると思われます。
残業時間を公に公開している企業は少ないと思いますが、面接などで確認できるケースもあります。
しかし、その年の仕事量や人員状況、配属部署にもよるため、正確な残業時間を予測することは非常に難しいと思われます。
労使協定や就業規則の内容を確認できたとしても、正確に実態を把握するのは困難であると個人的には感じています。